海外便り

2024.06.04

ジャカルタよりお便りが届きました

         

         

ジャカルタよりお便りが届きました

2年前より家族の仕事の都合でインドネシアのジャカルタで生活しています。

インドネシアというとバリ島をイメージされる方も多いと思いますが、実際は1万7千程の島々からなる島国で、約300もの民族が共存している多民族国家です。そのうち約87%がイスラム教を信仰しており、私が生活しているジャカルタも大半がイスラム教徒です。イスラム教についてはこれまで身近ではなかったため不安に思うことがありましたが、実際に生活を始めてみるとさまざまな驚きや発見がありました。

例えば、ラマダン(断食月)に行われるイスラム教徒の大事な務めのひとつである「断食」です。1か月の断食というと命をかけた苦行のように思っていましたが、実は1か月間、1日中まったく飲食しないということではありません。日の出~日没の間はいっさいの飲食を絶ちますが、日の出前に朝食を済ませ、日没後は家族や友人、同僚と集まって食事を分かち合います。この時期の夕方のレストランではいつもよりたくさんの人々が食事を共に楽しんでいるのを目にします。

また、相互扶助の精神が根づいており、街でもとても親切で優しい方に多く出会います。横断歩道のないジャカルタで道路を渡るのは至難の業ですが、偶然居合わせた方が何も言わずともサッと渡るのを手伝ってくださったり、道に迷っていると親切に教えてくださったりします(それがあっているかは別として…!)。こういった他者への慈しみや奉仕の精神は不二聖心で教えを受けたものと共通しているように感じます。もしかしたら、このように互いを慈しみ、助け合うことは宗教・文化に限らず、太古の昔から人類が生き残るために引き継がれてきた能力なのかもしれません。

まだまだ私も勉強不足で知らないことも多いインドネシアですが、みなさまの異文化理解の一助になれば幸いです。

※多民族国家であるインドネシアは宗教においても比較的融和しています。ジャカルタ最大のイスティクラル大モスクの目の前には大聖堂があります。写真はモスクの中からみた大聖堂です。

青木 美沙子(旧姓:津國)49回生
email: misakoaoki2022@gmail.com