不二聖心女子学院「ルーツへの旅」

不二聖心女子学院 校長 シスター大原眞実

不二聖心女子学院は、2018年度より高校二年生全員を対象に聖心発祥の地フランスへの「ルーツへの旅」をスタートいたしました。

これは、未来に向かって、創立者聖マグダレナ・ソフィア・バラの精神を継承し燃え立たせていきたいとの願いのもと、2012年、山本滉前校長の時代に決定したものです。翌年度は学院内外に主旨を説明し、詳細を検討、2015年8月に下見を行いました。
そして、2017年3月、この旅に参加できない学年の希望者と共に、先行する形でルーツへの旅へ行ってまいりました。

この巡礼の目的は二つあります。

「創立者の足跡を辿り、その精神への理解を深める」

パリではフランスの聖心同窓会(UFASC)の方々が、かつて聖心があったロダン美術館とその周辺の歴史を含めご案内くださり、聖フランシスコ・ザビエル教会ではごミサに参加し、創立者のご遺体が安置されたシャスの前でキャンドルを捧げ祈ります。

ソフィアが最初に生活したマレー地区も訪問します。ジョワニーでは、シスター・卒業生の方等が、現在は霊性センターとなっているご生家で、

  1. ご生家の説明と祈り
  2. サンチボー教会をはじめとする町の案内
  3. ぶどう畑でのヨハネ15章をベースにした霊的エクササイズ

という構成から成るプログラムを計画してくださいます。
また、ヴェズレーのマリア・マグダレナゆかりの聖マドレーヌ大聖堂も訪れます。

グルノーブルの風景

バラセンターのある丘

「創立者の精神を現代においてどのように実践していくか考える」

この観点から、パリのユネスコの本部で研修を行います。

本学院はユネスコスクールとしてESD(持続可能な開発のための教育)に取り組んでおり、特に21万坪の敷地を生かした環境教育に関して、生徒・教職員が国内外の様々な場で発表する機会が多くあります。

ユネスコスクールのインターナショナル・コーディネーターであるザビーネ・デッツェル氏はじめ、聖心女子学院ご出身の斎藤珠理様のご協力のもと、サスティナブルな社会の構築についての学びを検証する貴重な機会ともなっております。

ルーツへの旅はフランス・日本の聖心関係者の惜しみないご協力の上に成り立っています。

「地の果てに至るまで聖心の灯を…」と願われた創立者の思いが、卒業生を通して実現しているのを強く感じます。

バラセンターのプレート

バラセンターの庭

ジョワニー サン・チボー教会

バラセンター庭

バラセンター内

参考資料

聖書「コロサイの信徒への手紙」 3章12節-17節(創立者祝日の典礼の第一朗読)
聖マグダレナ・ソフィアの生徒に向けての手紙
『聖マグダレナ・ソフィアの生涯』 三好切子(毎日新聞社)p234-245
『マグダレナ・ソフィア・バラ』 モニック・リュラー著 里見貞代訳(聖心会 非売品)p146-p166
『日本における聖心会 八十年のあゆみ 』 三好切子(聖心会 非売品)p236-p241
”THE SOCIETI OF THE SACRED HEART IN THE FAR EAST” Margaret Williams(聖心会 非売品)p186-p188

※タイトルが青文字の資料はクリックすると内容をご確認頂けます。