恩師の言葉

2021.12.26

シスター畠中千秋

心に残っている不二聖心の思い出
初めて、不二聖心女子学院の敷地に足を踏み入れた時のことを思い出します。門から入ったのに、どんどん森の中へ行くタクシーの中で不安に慄いていました。ところが、緑の茶畑に青い空が広がり富士山の裾野の素晴らしい自然に圧倒されました。そして、おとぎの国のような塔の建物が現れた瞬間、私はここで生活したいという思いに駆られていました。この時の印象が今でも私の記憶の中にいきいきと生きています。不二聖心の持つこの雄大な自然は、文字通り、世界に二つとない宝物です。
この時、私は26歳。修道女になりたい、なれますようにという思いを心に抱いて、不二聖心女子学院の教職員として4月から働き始めました。中学3年生の英語と寄宿舎の舎監のお仕事をいただきました。その半年後、同じ敷地内にある修練院(シスターの養成所?)に移り住みました。こうして私のシスター人生が不二聖心で始まりました。
生徒の皆さんとの関わりもたくさんの思い出があります。特に「バツソウジ」を一緒にしたことなど微笑ましく思い出します。私も生徒と共に学ぶ機会に恵まれました。
現在、私は70歳。東日本大震災の後、福島県の「カリタス南相馬」に派遣され、被災地の方々と共に日々の生活の悲喜こもごもを分かち合っています。宗教・国・人種・年齢を超えて、たくさんの方々と出会い、たくさんの事を体験させていただき、「大きな家族」の一員としての関わりこそシスター人生の冥利に尽きます。