恩師の言葉

2022.08.05

花村泰枝先生

経歴

1979年 不二聖心女子学院に赴任し、20183月退職。
39年間勤務。
〔高校主任(生徒指導主事)9年、教頭3年〕


支えとなっている言葉

私の心の支えとなっている言葉は「物惜しみしない心」です。
不二聖心に勤め始めて、最初にお世話になったシスターにいろいろ学ばせていただき、いつも感銘を受けていました。それは、シスターの献身的で物惜しみしない姿でした。どんなに忙しい時でも笑顔で慣れない私を気遣い、さりげなく支えてくださいました。これが「物惜しみしない心」で、聖心女子学院で大切にしている言葉でした。自分ができることを精一杯する、心からさせていただけることに感謝と喜びを持って行うということでした。不二聖心では、皆が物惜しみせずに生活しています。そして、それだけの魅力がありました。そんな不二聖心に奉職できたことに感謝しています。「物惜しみしない心」これは私の心の支えとなっています。


心に残っている不二聖心での思い出

私が心に残っている生徒との思い出はたくさんあります。秋のつどい委員会での改革、体育大会での学年ダンス、ダンス部(体操部)の発表、生活向上委員会での活動などなどです。でも、不二聖心らしいと言えば、メッセージカードだと思います。不二聖心では何かあるとカードをもらいました。最初に驚いたのが、母の日の手作り品とカードでした。まさか母の日に生徒からもらえるとは思っていなかったので本当に驚いたのと同時に嬉しかったのを覚えています。また学年の終わりにはクラスや学年の生徒から担任や副担任に、クラブや委員会などでも担当者に色紙やカードを贈っていました。一人ひとりの心のこもった言葉がそこにはありました。もらって本当に嬉しいカードでした。私のカードにはよく、「先生は厳しくて怖いと思っていたけれど」という言葉で始まり、その後に「でも本当は優しくて」や「厳しさの裏に愛情があった」などが続いていました。そういう何気ない一言が嬉しくて、やってて良かったと思える瞬間でした。生徒からのカードや色紙は私の大切な思い出です。


卒業生へのメッセージ

私はいつも不二聖心の生徒を羨ましく思っていました。それは、卒業しても不二聖心という帰る場所があるからです。私は、中高は公立、大学は私学の体育大学の卒業でした。先生方はすぐに変わり、自分の知らない学校になっていきました。一方不二聖心では、シスター方が学校を支え見守ってくださっていて、先生方も長く勤めていらっしゃる方が多く、いつも戻ってこられる場所となっています。不二聖心に戻れば、青春時代にタイムスリップし、リフレッシュできます。広大な自然に恵まれ、優しい思いに包まれます。建物などが新しくなっても変わらない思いがつまっています。不二聖心はそんな安らぎの場所だと思います。

最後に私の好きな言葉を贈ります

「どんなに忙しくても マザーバラの部屋のドアも 心のドアも 開いていました」

聖マグダレナ・ソフィア・バラ

泰枝写真