恩師の言葉

2023.10.23

平山三穂先生

経歴

1991年 不二聖心女子学院に赴任。現在に至る。

ご自身の心の支えとなっている言葉や出来事

「神のなさることはすべて時にかなって美しい」

中学主任をしている時、聖書の言葉を生徒に紹介したいと思い、毎週中学校黒板に向かっていました。この言葉は、気持ちを前向きにさせてくれるようなパワーを持っているように思います。

 「マザーバラの部屋のドアも、心のドアもひらいていました」

かつて、創立者の記念日が近くなると、教室や廊下に聖マグダレナ・ソフィア・バラのお言葉を掲示していました。仕事に忙殺される日々ですが、だからこそ心にとめたい言葉です。

 創立者の言葉や聖歌を、聖心で学んだ生徒が地域・世代を超えて共有できることもすばらしいです。

心に残っている不二聖心での思い出

私の教員生活はシスター柳下のもとで始まりました。シスターのお言葉で忘れられないのは「横になっているものはすべて拭きなさい」。最初はどういうことか分かりませんでした。何年かして「横になっているもの=ホコリがたまる」、すべての場所の拭き掃除をするという意味だと気づきました。惜しまず働いていらっしゃった姿が懐かしいです。

 山本滉先生には子どもたちを愛おしむ心を教えていただきました。プリントを数える時の「二・四・六・八・十、にーじゅーかーけーろ、さんじゅーかーけーろ……」は山本先生が教えてくださいました。生徒には、いつも変と言われます。西山民雄先生の美意識の高さも忘れられません。

 日本語演劇クラブの顧問も続けています。個性派が集まる日演!それでも部員が団結し、自分たちの力で秋のつどい公演を完成させるのは、毎年すごいなぁと思っています。

 教員生活も30年を超えました。先生方から教えていただいたことも多いけれど、生徒のみなさんから学んだこともたくさんあります。誠実さ、誰かのために働くことなど、私自身も人間として成長させていただいたと感謝しています。そして何かにつけ思い出すのは、心に痛みとして残っている事柄です。その反省や後悔があるから、次はよりよい指導を、と思っています。

卒業生へのメッセージ

世の中の変化と同様、教育環境も大きく変わってきています。学校行事にも変化がありました。中2自然教室、山中湖での高1キャンプ、福祉施設でのワークキャンプなど。教員にとってもハードな行事もありました。生徒のみなさんと同様、私たちも鍛えられ、育てられてきたと思います。

 また折に触れ、生徒や卒業生からカードをいただきますが、言葉のあたたかさと込められたやわらかな心をいつも感じます。細やかな心配りができることも不二っ子の共通点と言えるでしょう。そして不二の卒業生には「よりよい社会を築くことに貢献する」(教育理念)ことを目指す人が顕著です。お一人おひとりの人生・生き方はそれぞれ異なるけれど、社会の役に立ちたいという気持ちを心の奥底に持っていて、実践している人が多いのではないでしょうか。

 卒業生のみなさん、富士の裾野から応援しています!そして、母校のことも心に留めていただけるとうれしいです。

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