恩師の言葉

2023.02.26

岸本潤先生

経歴

住友銀行(現三井住友銀行)入行。上野支店融資課配属後、システム開発部に異動、IBM系基幹システムの開発に従事。その後、不二聖心女子学院に数学科教員として採用される。2003年高校に教科「情報」が新設されるにあたり、
東京工業大学大学院で教育工学、情報に関する単位を取得。
情報科教員免許を取得後、数学科と情報科を兼任 現在に至る

支えとなっている言葉

「聖心の生徒は一人では天国に行ってはいけません」「物惜しみなく他者の為に尽くす」という言葉は聖心のスピリットを表す代表的な言葉です。私自身
この言葉を最初に聞いた時は、ショックを受けましたが、今では大切にしています。銀行員時代は経済最優先の価値観の中で他人を蹴落としてでも自分だけが成功すれば良いという考えでしたが、そうではないことを聖心に来て学びました。

心に残っている不二聖心での思い出

前職は銀行のシステムエンジニアだったため、最初に不二聖心に赴任した時は、前の職場との違いに戸惑いました。当時、高1は山中湖で3日間のキャンプを行っていましたが、風呂・シャワーなし、狭い簡易テントに4人で泊まるというサバイバルゲームのような過酷なキャンプでした。食事もすべて自炊で、
使う薪も放課後に学校の森に取りに行き、キャンプ前日に軽トラックで運びました。薪に火がつくまで1時間以上かかったこともあり、食事にありつくまでに2時間位かかりました。そして食べている最中に大きなクモや蛾が寄ってきて
生徒は大騒ぎしました。
夜中に生徒からテントの前に巨大なカエルがいるので退治して欲しいと言われた時は、逃げ出したいと思いましたが、立場上気丈に振る舞い、棒でつついて退治をして、達成感を得ました。
インドア派だった私にはかなり衝撃的な出来事でした。このキャンプで精神も鍛えられ、息子が小学生になるころには毎年自らキャンプを企画するまでに成長しました。
現在高1キャンプはなくなってしまいましたが、キャンプに限らず、不二聖心では様々な行事や宗教教育を通して勉強だけでは得られない貴重な経験を積んで成長するため、幅の広い心豊かな人材が育っているのだと思います。 

卒業生へのメッセージ

以前テレビで全国ニュースを見ていた時、海外の事件を伝える女性特派員の
名前に見覚えがあったので顔を見ると不二聖心の卒業生でした。それ以外にも地方のテレビ局のアナウンサーをされている方や教育関係、医療関係等様々な分野の第一線でご活躍されている方がいる一方、目立たないところで人のために尽くす地道な活動をされている方もいて誇らしく思います。
最近、卒業生
から社会に出てからのお話しを伺う機会が少ないので、コロナ感染が収束したら、ぜひ秋のつどいに来て頂き、またお話しできることを楽しみにしております。

岸本写真