恩師の言葉
2022.02.14
シスター林千鶴
経歴
不二聖心女子学院(寄宿舎を含む)
聖心女子専門学校
東京聖心女子学院
小林聖心女子学院
心に残っている不二聖心での思い出
裾野は私にとってとても大切な、特別な思いがあるところです。まだ修練期中、いわゆる白ベールであったとき、年度の途中から突然小学校6年の担任をさせて頂くことになり、それまでとはかなり違った学校での毎日が始まりました。初誓願式にも6年生は出席し祝ってくれました。翌日からまた学校へ。シスターとしてのスタートがこのような形で始まったことは裾野との結びつきを強くしている原因の一つであることは確かです。それから6年後、今度は終生誓願の準備のため、世界各地から集まったシスター方と3か月余りを、当時ヴィラ不二と呼ばれていた黙想の家で過ごしました。裾野の大自然は神さまの大きな懐のように私を包み、神さまの愛に生きることの素晴らしさを確認させてくれました。まだサルやシカなどの動物が出てこない時でしたので、毎日自然の中を自由に歩き回り、小さい草花、杉の木林、雄大な富士山、なだらかな箱根の山々や夕映えの美しさに見とれ、神さまを賛美する喜びを日々味わい、裾野との結びつきは色濃くなっていきました。それがより深くなったのは、終生誓願直後の9年間、不二聖心で中学校、高等学校、寄宿での仕事を頂いたからです。先生と生徒が一丸となって神様に向かって歩いていたような年月でした。もう今から40年以上前のことになりますので、そのころの苦労、悩み、焦りなどはどれもありがたい、懐かしい、かけがえのない思い出に変わり、大小さまざまの出来事、出会った方々はすべて、神さまからの貴重なプレゼントで、頂いたことに心からの感謝しかありません。
心の支えとなっている言葉
マタイによる福音書11章28節~30節
『疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる。わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである。』
どんなことがあってもイエス様のところに行けば大丈夫という強い信頼の心を持つに至った個所で、日本語でも英語でも歌があり大好きです。
卒業生へのメッセージ
不二聖心を卒業しはなれてみると、在学中色々な機会に、いろいろな方からうかがった様々なことばが頭に浮かんでくることがありませんか。聞いたときはあまりよくわからず、「そうかなあ」と疑問をもったり、意見を異にしたり、反対に「そうだ、そうだ。」と大いに賛成したけれどいつの間にか忘れてしまっていたり………。一人ひとりが違った環境で幅広い豊かな経験を積んでこられた今、急にピンとくることとか、「あっそうか」と気がつくことがおありと思います。それが、一人ひとりにとって、いただいたメッセージが熟した時だと思うのです。その時を逃さず、それを思い返し、日々の生活でそのメッセージを生き、ご自分のものとし、毎日を充実させて頂ければとても嬉しいです。考えもしなかったコロナ禍を生きる時代になったからこそ大事なことだと思います。