恩師の言葉

2022.03.31

シスター大山江理子

経歴
聖心女子学院、聖心女子大学卒業 聖心会員
1991年4月~1995年3月 不二聖心勤務 英語と宗教を教えました
1995年4月~1996年3月 小林聖心勤務
1999年11月~2009年3月 不二聖心勤務(2001年4月~2009年3月 校長)
2009年4月~ 聖心女子学院校長として勤務 現在に至る

支えとなっている言葉
聖書の中には心に残る言葉が数々ありますが、ヨハネによる福音書15章15節にある「もはや、わたしはあなたがたを僕とは呼ばない。僕は主人が何をしているか知らないからである。わたしはあなたがたを友と呼ぶ。父から聞いたことをすべてあなたがたに知らせたからである。」という箇所が私にとっては非常に重要です。若い時にこの箇所を読み、イエスが私たちのことを「友」としてくださることに衝撃を受けました。イエスが私たちをそれほどに親しい者として大切にしてくださることを知って、深く感動しました。忘れられない一瞬でした。そのような思いがシスターになりたいという望みへと私を導いたのかもしれないと感じています。

心に残っている不二聖心での思い出
不二聖心ではなんと言っても雄大な自然がどの思い出の風景にもあります。朝の箱根の山波、遠くへと連なる伊豆半島の山々、そして夕焼けの富士山、まさに校歌の歌詞のように広がるパノラマが思い起こされます。その自然に見守られて、学校があり、学校生活がありました。遮るもののない広い空は得がたいものです。春の体育大会、夏の水泳大会、秋のつどい、冬1月のマラソン大会など、青空の下で実施した行事は貴重な記憶です。木造の校舎は歩くとみしみしと音がしましたが、ぬくもりがありました。ちょうど生徒全員の名前と顔を覚えられる大きさの学校で、様々な出来事に先生たちと生徒と、保護者の方々とも一緒に一喜一憂しながら過ごしていたと感じます。金曜日の放課後に最後のバスを先生たちと見送ったことも忘れられません。

卒業生へのメッセージ
不二聖心は強い特色のある学校です。卒業生としていつでも誇りをもって進んでいらしてください。知名度があるとか、有名人が卒業生にいるとか、そのようなことは学校の価値に決定的なことではありません。生徒の時代にどれだけ学校生活を楽しむことができ、よい友だちに恵まれて過ごすことができたか、学校の風景にどれほど自分がなじむことができたか、それが重要なのだと思います。卒業して、一人ひとり様々なところで生活しながら、生きる喜びを感じるとき、不二聖心での体験が自分の根っこにあると感じることができたらとても幸いなことです。もし人生に迷ったり、戸惑ったりする時があったら、不二で見た空や山を思い出してください。人の心は移り変わっても、雄大な自然は静かに変わらない姿で支えてくれるでしょう。たとえ、嵐や万が一噴火があって自然の猛威を感じたとしても、その向こうに神様のいのちがいつも息づいていることを、どうぞ思い出してください。